豪華客船による世界旅行に、投資で得た"利益だけ"でいけるのか?

50代・貯蓄300万・月3万から。3つの戦略をシミュレーション実験

はじめに:「夢」を「利益」だけで叶える挑戦

「夫の定年後、夫婦で豪華客船の世界一周旅行に行きたい。でも、老後の資金(貯金や退職金)には手をつけたくない。投資の"利益"だけで、そんな夢は叶うものなの?」といったようなことを考えたことはあるでしょうか?

「老後のための資金は守りたい。でも、旅行の夢も諦めたくない」この相反する希望を、「投資」という選択肢がどう解決できる可能性があるのか。私たち「コンパス+」編集部で、シミュレーション実験を行ってみました。

まずは、条件の設定を行います

2名分の豪華客船で世界一周費用を「1,000万円」と仮定します。これはプランにより様々ですが、ひとつの目安として考えてみます。

【シミュレーションの条件】

目標時期 15年後
貯蓄額 300万円
毎月の余裕資金 3万円

仮に50歳の方を想定した場合、定年退職まで15年あります。子育ても落ち着いた人も多い年代だと思いますので、子供にかかっていた教育費などを投資に回すイメージでシミュレーションを行います。

【実験】3つの「投資戦略」で、15年後の「利益」はどう変わるか?

では、「貯蓄300万円」と「毎月3万円」を、15年間でどう配分するか、3つの戦略(仮説)を立てて比較検証します。まず、「期待利回り5%・リスク標準15%」で計算してみましょう。

【実験結果①】期待利回り「5%」の場合

仮説① 余裕資金を【すべて投資】に回す戦略

戦略: 初期貯蓄300万円と、毎月の余裕資金3万円を、15年間すべて投資する。

投資元本 合計: 840 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 1,400 万円
育った利益 (中央値): + 約 560 万円
夢(1,000万)との差: - 約 440 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

仮説② 一括投資はせず、【積立投資のみ】行う戦略

戦略: 初期貯蓄300万円は「貯金(金利0.2%)」として守り、毎月の余裕資金3万円だけを15年間、積立投資する。

投資元本 合計: 540 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 1,084 万円
(内訳:貯金部分 約309万円 + 投資部分 約775万円)
育った利益 (中央値): + 約 235 万円(※投資部分のみの利益)
夢(1,000万)との差: - 約 765 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

仮説③ 貯蓄と投資の【半分ずつ(ハイブリッド)】戦略

戦略: 貯蓄の半分(150万)を一括投資、半分は貯金。毎月資金の半分(1.5万)を積立投資、半分は貯金。

投資元本 合計: 420 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 1,262 万円
(内訳:貯金部分 約563万円 + 投資部分 約699万円)
育った利益 (中央値): + 約 280 万円(※投資部分のみの利益)
夢(1,000万)との差: - 約 720 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

【まとめ】3つの仮説の比較(期待利回り5%)

仮説 投資元本 資産総額 育った利益 夢との差
仮説①(すべて投資) 840万円 約1,400万円 約560万円 -440万円
仮説②(積立のみ) 540万円 約1,084万円 約235万円 -765万円
仮説③(ハイブリッド) 420万円 約1,262万円 約280万円 -720万円
3つの仮説の利益比較(期待利回り5%)

【考察①】「すべて投資」でも、夢には「足りない」

さて、レポートが出ました。この「期待利回り5%」という仮説では、最も積極的な「仮説①(すべて投資)」をもってしても、15年後に育つ利益(中央値)は約560万円でした。「利益だけで1,000万円の旅行」という夢には、約440万円「不足」するという、厳しい「現実」が見えてきました。

【ナビゲーターの助言】「次に考えるべき選択肢」

しかし、ここで「やっぱり無理か」と諦めるのは早いです。この「足りない」という現実を知ることこそが、「後悔しない人生」を送るための「気づき」のスタートです。

この結果を受けて、「次に考えるべき選択肢」は、大きく3つあります。

  1. 旅行の予算(夢)を見直す
    (例:「1000万円」のプランではなく、利益(560万)の範囲内で「500万円」のプランに変更する)
  2. 投資額(元本)を増やす
    (例:毎月3万を5万にするため、家計を見直す、あるいは「副業」を検討する)
  3. より高い利回り(=リスク)を目指す
    (例:利回り5%ではなく、7%や8%が期待できる(その分、振れ幅も大きい)投資を検討する)

【実験結果②】「利回り8%」で再シミュレーション

では、上記「3」の選択肢、「もし、より高い利回り(8%)を目指したら?」という仮説で、再度3つのパターンをシミュレーションしてみましょう。
(※リスクも標準15%→積極的18%に上昇すると仮定)

仮説① すべて投資(期待利回り8%)

資産総額: 約 1,930 万円
育った利益: 約 1,090 万円
夢(1,000万)との差: + 約 90 万円(達成!)

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

仮説② 積立投資のみ(期待利回り8%)

資産総額: 約 1,228 万円
育った利益: 約 379 万円
夢(1,000万)との差: - 約 621 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

仮説③ ハイブリッド(期待利回り8%)

資産総額: 約 1,489 万円
育った利益: 約 455 万円
夢(1,000万)との差: - 約 545 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

【まとめ】3つの仮説の比較(期待利回り8%)

仮説 投資元本 資産総額 育った利益 夢との差
仮説①(すべて投資) 840万円 約1,930万円 約1,090万円 +90万円 ✓
仮説②(積立のみ) 540万円 約1,228万円 約379万円 -621万円
仮説③(ハイブリッド) 420万円 約1,489万円 約455万円 -545万円
3つの仮説の利益比較(期待利回り8%)

【考察②】ついに「夢」を達成。しかし…

期待利回りを5%から8%に引き上げる(=より高いリスクを受け入れる)ことで、「仮説①(すべて投資)」の場合は、ついに利益だけで「夢」を達成できる可能性が見えてきました。

しかし、他の2つの仮説(②と③)は、利回りを8%に上げても、まだ夢には届かないようです。

そこで、もうひとつ別の視点から考えてみましょう。「もし、元本(投資額)を増やしたら?」という選択肢です。

【実験3】もし「元本(投資額)」を増やしたら?

先ほどの「実験結果①(期待利回り5%)」では、どの仮説でも「夢(利益1,000万円)」には届きませんでした。

そこで、「利回りは5%のまま」で、「元本(投資額)を増やす」という選択肢を試してみます。

以下の3つのシナリオで、再度シミュレーションを行いました。

シナリオ① 500万一括投資(積立ゼロ)

戦略: 初期貯蓄500万円を一括投資。毎月の積立はなし。

投資元本 合計: 500 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 1,040 万円
育った利益 (中央値): + 約 540 万円
夢(1,000万)との差: - 約 460 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

シナリオ② 300万一括 + 月5万積立

戦略: 初期貯蓄300万円を一括投資 + 毎月5万円を15年間積立投資。

投資元本 合計: 1,200 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 1,990 万円
育った利益 (中央値): + 約 790 万円
夢(1,000万)との差: - 約 210 万円

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

シナリオ③ 100万一括 + 月10万積立

戦略: 初期貯蓄100万円を一括投資 + 毎月10万円を15年間積立投資。

投資元本 合計: 1,900 万円
15年後の資産総額 (中央値): 約 2,900 万円
育った利益 (中央値): + 約 1,000 万円
夢(1,000万)との差: ± 0 万円(達成!)

15年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

【まとめ】3つのシナリオの比較(実験3:期待利回り5%)

シナリオ 投資元本 資産総額 育った利益 夢との差
シナリオ①(500万一括) 500万円 約1,040万円 約540万円 -460万円
シナリオ②(300万+月5万) 1,200万円 約1,990万円 約790万円 -210万円
シナリオ③(100万+月10万) 1,900万円 約2,900万円 約1,000万円 ±0万円 ✓
3つのシナリオの利益比較(実験3:期待利回り5%)

【考察③】元本を増やしても、5%では「あと一歩」

実験3の結果から、「シナリオ③(100万一括 + 月10万積立)」の場合、期待利回り5%でも、ついに「夢(利益1,000万円)」を達成できることがわかりました。

しかし、これは「毎月10万円」を15年間積み立てる、という条件です。元本合計は1,900万円にもなります。

一方、「シナリオ②(300万一括 + 月5万積立)」では、利益は約790万円で、まだ210万円足りません。

つまり、「期待利回り5%」という前提では、元本を増やしても「あと一歩」届かないケースが多いということです。

【実験結果まとめ】「夢(利益1,000万)」を達成した、唯一の条件

これまでの実験結果をまとめると、「利益だけで1,000万円」という夢を達成できた条件は、以下の2つだけでした。

  1. 実験2:仮説①(すべて投資)× 期待利回り8%
    → 利益 約1,090万円(達成!)
  2. 実験3:シナリオ③(100万一括 + 月10万積立)× 期待利回り5%
    → 利益 約1,000万円(達成!)

つまり、「より高い利回りを目指す」か、「元本(投資額)を大幅に増やす」か、どちらかの選択をしなければ、この夢は叶わないという現実が見えてきました。

【総括】シミュレーションから見えた「夢」への3つの道筋

「コンパス+」がこの実験で最もお伝えしたいこと。それは、「8%を目指すべき」とか「月10万円積み立てるべき」ということではありません。

「投資」とは、「利回り」と「リスク(振れ幅)」、「期間」と「元本」の綱引きであり、その結果は「あなたがどの選択をするか」によって全く変わってくる、という「事実」です。

今回のシミュレーションから見えた「夢」への道筋は、大きく3つあります。

  1. 旅行の予算(夢)を見直す
    (例:「1000万円」のプランではなく、利益の範囲内で「500万円」のプランに変更する)
  2. 投資額(元本)を増やす
    (例:毎月3万を10万にするため、家計を見直す、あるいは「副業」を検討する)
  3. より高い利回り(=リスク)を目指す
    (例:利回り5%ではなく、8%が期待できる(その分、振れ幅も大きい)投資を検討する)

「もし、期待利回りが『7%』だったら?」
「もし、毎月の積立額を『5万円』に増やしたら?」
「私の『夢(予算)』なら、何年かかる?」

このような『あなただけ』のケースを試してみたい場合は、ぜひご自身でシミュレーションしてみてください。

【最後のシミュレーション】もし「40歳」から準備を始めたら?

これまでのシミュレーションは、すべて「50歳から15年間」という条件でした。

では、もし「40歳から準備を始めた」場合、どうなるでしょうか?

40歳から65歳まで、25年間という時間があります。期待利回り5%で、ちょうど利益1,000万円を達成できるパターンを試算してみました。

40歳からのシナリオ:100万一括 + 月3.7万積立(25年間)

戦略:初期貯蓄100万円を一括投資 + 毎月3.7万円を25年間積立投資。

投資元本 合計: 1,210 万円

25年後の資産総額 (中央値): 約 2,210 万円

育った利益 (中央値): + 約 1,000 万円

夢(1,000万)との差: ± 0 万円(達成!)

25年間の資産推移(モンテカルロシミュレーション)

【ポイント】「時間」という最強の味方

このシナリオの注目点は、「毎月3.7万円」という無理のない積立額で、利益1,000万円を達成できることです。

50歳から15年間の場合、月10万円の積立が必要でしたが、40歳から25年間なら、月3.7万円で同じ目標に到達できます。

これが、「複利」と「時間」の力です。早く始めるほど、無理なく、着実に「夢」に近づくことができるのです。

結論:あなたの「夢」と「現実」を、当てはめてみませんか?

「コンパス+」がこの実験で最もお伝えしたいこと。それは、「8%を目指すべき」ということではありません。

「投資」とは、「利回り」と「リスク(振れ幅)」、「期間」と「元本」の綱引きであり、その結果は「あなたがどの選択をするか」によって全く変わってくる、という「事実」です。

「もし、期待利回りが『7%』だったら?」
「もし、毎月の積立額を『5万円』に増やしたら?」
「私の『夢(予算)』なら、何年かかる?」

このような『あなただけ』のケースを試してみたい場合は、ぜひご自身でシミュレーションしてみてください。

※本シミュレーションは、提示された条件および統計データに基づく簡易的な予測であり、将来の成果を約束するものではありません。
※豪華客船の費用は、時期、船会社、客室ランクにより大きく変動します。1,000万円はあくまで仮定の目標額です。
※投資のリスク(振れ幅)は、モンテカルロシミュレーション(試行回数1万回)の上位25%〜下位25%の範囲の目安をテキストで表示しています。
※本機能は金融知識に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取引を推奨したり、勧誘したりするものではありません。投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。