インフレとは?
お金の価値が減る本当の理由

ミサトさん、前のページでは「貯金だけではマズいかもしれない」というお話をしましたね。

その最大の理由が、今回お話しする「インフレ(インフレーション)」です。

インフレ…ニュースでたまに聞く言葉ですが、正直よく分かっていません。

では、質問です。「タンスにしまっておいた100万円は、10年後も同じ100万円の価値があるでしょうか?」

え…?100万円は100万円ですよね?額面は変わらないと思いますが…。

その通りです。額面は「100万円」のままです。

でも、もし世の中のモノの値段が上がっていれば、その100万円で買えるモノの量は減ってしまいます。これが「お金の価値が減る」ということなんです。

買えるモノの量が…減る?

昔と今で、ジュースの値段は違う

一番わかりやすい例が、自動販売機のジュースの値段です。ミサトさんは、昔のジュースの値段を覚えていますか?

1990年頃
🥤
100円
現在
🥤
140円

確かに…!昔は100円で買えていましたね。今は140円出さないと買えません。

そうです。これは、ジュースの価値が上がったのではなく、円というお金の価値が下がったことを意味します。

このように、モノやサービスの値段(物価)が全体的に上がり続ける現象を「インフレ」と呼びます。

「何もしない」ことのリスクを見てみよう

日本政府や日本銀行は、経済のゆるやかな成長のために「毎年2%」のインフレを目標にしています。

一方で、現在の銀行の普通預金金利は、よくて年0.02%程度。多くの銀行では年0.001%という超低金利です。

確かに、銀行に預けていても全然増えませんよね…。

もし、インフレが2%進む世界で、お金を金利0.001%の銀行に預けておくと、どうなるでしょうか?

現在の100万円の価値が、将来どう変化するのか見てみましょう。

100万円の「将来の価値」シミュレーション

(インフレ率 年2%で計算した場合)

  • 10年後には、今の約82万円の価値に
  • 20年後には、今の約67万円の価値に
  • 30年後には、今の約55万円の価値に

※銀行金利はほぼゼロに等しいため、計算上は無視しています。

えっ…!?額面は100万円のままなのに、30年後には実質的に半分近くに…?

はい。そのお金で買えるモノの量は、半分近くに減ってしまう可能性があるのです。

これこそが、「安全」だと思われている銀行預金に潜む、「何もしないことのリスク」です。

私が「安全」と信じていた貯金が、実はこんなにもお金の価値を減らしていたなんて…。

ただ、やっぱり投資は怖いです。お金を減らすリスクがあるんですよね?

その「怖い」という感覚、とても大切です。

次のページでは、その「投資のリスク」という言葉の本当の意味について、一緒に見ていきましょう。実は、9割の人が誤解している重要なポイントがあるんです。

あなたの貯金の「将来の価値」シミュレーション

万円
%
年後

10年後、 100万円の価値は…

実質 約82 万円

※銀行金利はほぼゼロに等しいため、計算上は無視しています。

まとめ

  • インフレとは、モノの値段が上がり、相対的にお金の価値が下がること。
  • 銀行に預けているだけだと、インフレによってお金の価値は実質的に目減りしてしまう。
  • 「何もしないこと」自体が、資産を減らすリスクになり得る。

※本ページは、金融知識に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取引を推奨したり、勧誘したりするものではありません。

※金融商品の選択や投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

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