賢くリスクを管理する「3つの魔法」:
長期・積立・分散

ミサトさん、こんにちは。
前回は、「投資のリスクとは"振れ幅"であり、"管理"できる」というお話をしました。

はい、覚えています。「ギャンブル」とは違う、というのは頭では理解できました。

でも、一番知りたいのは、その「どうやって管理するのか?」という具体的な方法です。それが分からないから「怖い」んだと思います。

素晴らしい。ミサトさんはもう、投資家として一番大切な「なぜ?」という視点をお持ちです。

リスクを管理する方法は、実はとてもシンプルです。投資の世界で「王道」と呼ばれる、「3つの魔法」があります。それが、

  • 分散(ぶんさん)
  • 積立(つみたて)
  • 長期(ちょうき)

です。今日は、この3つを一緒に見ていきましょう。

体験:3つの魔法を「例え話」で知る

魔法①:分散(ぶんさん)

🧺 🥚🥚🥚

これは「卵を一つのカゴに盛るな」という有名な格言です。

  • カゴが一つだけだと、もしそれを落としたら、すべての卵が割れてしまいます。(=一つの会社に全財産を投資し、その会社が倒産したら、資産はゼロに)
  • カゴを10個に分けて持っていれば、一つを落としても、残りの9個の卵は無事です。

投資も同じで、投資先を一つに集中させず、様々な国や資産に「分けて」持つこと。これが「分散」です。リスクを「薄める」イメージですね。

魔法②:積立(つみたて)

🍎 🛒

これは、投資の「買うタイミング」のリスクを管理する魔法です。

ミサトさんは、スーパーでリンゴを買う時、高い時にたくさん買いたいですか?

いいえ、もちろん安い時に買いたいです。でも、いつが一番安いかなんて、誰にも分からないですよね?

その通り! プロにも分かりません。
だから、「いつが安いか」を当てるのをやめてしまいます。

「毎月1日に、5,000円分だけ買う」と機械的に決めてしまうのです。

  • 値段が高い時(1個500円)は、自動的に少なく(10個)買います。
  • 値段が安い時(1個100円)は、自動的に多く(50個)買えます。

これを続けると、平均の購入価格が自然と下がっていきます。これが「積立」(ドルコスト平均法)です。感情を入れずに「高値掴み」のリスクを避けられる、賢い方法です。

🗓️ 💰

魔法③:長期(ちょうき)

📉📈

これは、「時間」を味方につける、最強の魔法です。

市場(しじょう)は、短く見ると、嵐のように荒れています(=振れ幅が大きい)。毎日ハラハラします。

しかし、20年という「長期」で見ると、世界経済は(山や谷はあっても)全体としては成長してきました。嵐(短期)ではなく、季節(長期)を見るイメージです。

「長期」で持つと、一時的なマイナスがあっても、経済全体の成長(プラスサム)の恩恵を受けて、資産が育っていく可能性が高まります。

なるほど…。

  1. 「分散」して、一つのカゴが割れるリスクを減らし、
  2. 「積立」して、買うタイミングのリスクを減らし、
  3. 「長期」で持って、短期的な嵐のリスクを減らす…

「投資=ギャンブル」というイメージとは全然違いますね。すごく合理的で、堅実な「技術」なんだと分かりました。

……でも、ナビゲーターさん。

私、無理です。

と、言いますと…?

「分散」「積立」「長期」が合理的でも、多忙な私には実践不可能です。

(ミサトさんの声)
「だって、そうでしょう? 私は看護師で、夜勤もあって不規則です」

  • 「"分散"しろと言われても、世界中のどのカゴ(投資先)を選べばいいかなんて、勉強する時間はありません」
  • 「"積立"が良いと分かっても、毎月手続きをするのは忘れてしまいます」
  • 「"長期"で持てと言われても、その間ずっとハラハラし続けるのは、精神的に無理です」

「この3つの魔法は、結局、時間と知識がある人だけのものじゃないですか?」

その「時間がない」問題を、どう解決するのですか?

ミサトさん、それこそが、多忙な専門職である「あなた」が、これまで投資を始められなかった最大の、そして唯一の理由です。

そして、その「時間がない」という問題を解決するために作られた、最高の「道具(ツール)」が、すでに金融の世界には存在します。

それが、次のページでお話しする「投資信託(とうししんたく)」です。

もし、ミサトさんが学んだ「3つの魔法」すべてを、

  • ① プロが代わりに「分散」先を選んでくれて、
  • ② 銀行引落しで「積立」も「全自動」でやってくれて、
  • ③ あとは「長期」でほったらかしておくだけ

…という「お任せパック」があったとしたら、どう思いますか?

※本ページは、金融知識に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取引を推奨したり、勧誘したりするものではありません。

※金融商品の選択や投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

次のテーマへ:雪だるま式にお金が増える「複利」の魔法とは?