5分でわかる、貯金だけではマズい理由

はじめまして。ナビゲーターです。
本日は、お忙しい中ありがとうございます。

読者の方を代表して、ミサトさん(38歳・看護師)にお越しいただきました。ミサトさん、よろしくお願いします。

よろしくお願いします。地方の病院で看護師をしています。

日々の仕事が忙しくて、お金のことは正直、後回しになりがちです…。とりあえず「貯金が一番安全」と親からも教わりましたし、コツコツ貯めてはいるんですが…。

ミサトさん、ありがとうございます。その「コツコツ貯金できる」ことこそ、資産形成において最も素晴らしい才能です。

ただ、その大切な「貯金」が、数十年前の「常識」のままになっていないか、一度だけ、一緒に確認してみませんか?

数十年前の常識…?
どういうことでしょう?

理論は後回しにして、まずは「体験」してみましょう。この場で、20年後の「2つの未来」をシミュレーションしてみます。

体験:20年後の「機会損失」

勉強のテーマとして、まず「100万円」を「20年」置いた場合で計算してみましょう。もちろん、この数字はご自身の額に変更しても構いませんよ。

……これは、衝撃ですね。

100万円で計算しても、こんなに差が…。私が「安全」と信じていたPath Aは、一体何だったんでしょうか。

はい。そのグラフの「差額」、それこそが『機会損失』です。

「貯金だけ」というのは、その「Path B(育てる道)」で得られたかもしれない利益を、毎年逃し続けている状態、とも言えるのです。

さらに、このグラフには「インフレ(物価上昇)」が考慮されていません。

もし、物価が年2%のペースで上がり続けたと仮定します。

  • Path A (0.2%) は、物価上昇(2%)に「負けて」おり、お金の価値は実質的に目減りしていきます。
  • Path B (3%) は、物価上昇(2%)に「勝って」おり、お金の価値を守りながら育てられる可能性を秘めています。

「増えない」どころか、「機会を失い」、「価値が目減り」する…。

私が「安全」と信じていた貯金が、実はリスクに晒されていた、ということですか?

……ただ、納得はしましたが、やっぱりPath Bは怖いです。

私には経済を分析する時間も知識もありません。「投資」って、結局「ギャンブル」なんじゃないですか?

ミサトさん、それこそが最も重要で、最も誤解されているポイントです。

その「なぜ?」と「怖さの正体」について、次の解説でじっくりご説明します。ここからが本題です。

「体験」の裏側にある、知っておくべき「論理」

なぜ、昔は「貯金が正解」だったのに、今は違うのですか?

ミサトさんのご両親の世代では「貯金は美徳」であり、それが「正解」でした。なぜなら、日本が急成長していた時代、銀行金利が年5%や6%あったからです。

「貯金をしているだけで、インフレにも負けず、資産がしっかり増えていった」のです。この時代の「常識」と「成功体験」を、私たちは「正しいもの」として強く受け継いでいます。

しかし、時代は変わりました。シミュレーションで体験いただいた通り、現代は「超低金利時代」です。この「歴史的成功体験」と「現代の金融事実」の間に生まれたギャップこそが、私たちが今、最も注意すべき問題なのです。

理屈は分かります。でも「投資」は「ギャンブル」と何が違うのですか?

この2つは、似ているようで「目的」と「結果」が全く違います。

  • ギャンブルは、短期的に「ゼロサム(誰かの損が誰かの得)」を狙う「投機」です。参加者の合計点は増えません。
  • 投資は、長期的に「プラスサム(経済全体の成長)」の恩恵を受けようとする「資産形成」です。世界経済が成長すれば、参加者全員の資産が増える可能性があります。

私たちが目指すPath Bは、後者の「投資」です。世界経済が年3〜5%成長するのに合わせて、自分の資産もゆっくり育ててもらう、という合理的な考え方です。

世界に目を向けると、家計の金融資産のうち、アメリカの家庭は50%以上を株式や投資信託といった「投資」に回しています。一方で、日本はいまだに50%以上が「現金・預金」です。この差が、グラフで見た「機会損失」の正体とも言えます。

一番の問題は、私には経済を分析する「時間」がないことです。

ミサトさん、それこそが、多忙な専門職である「あなた」が、これまで投資と無縁だった最大の理由です。そして、その「時間がない」ことの「解決策」が、すでに金融の世界には存在します。

それが「投資信託(とうししんたく)」です。

これは、運用の専門家(プロ)に、ご自身の資産運用を「お任せ」できる金融商品の"詰め合わせパック"のようなものです。

ご自身で株価をチェックしたり、経済を分析したりする必要は一切ありません。1つの商品で世界中の様々な資産に自動的に「分散」してくれるため、リスクを抑えながら、Path Bに近い成果を「ほったらかし」で目指すことができます。

これは、日々本業に集中されたい皆様にとって、リスクとリターンのバランスを考えた、非常に「ベター」な選択肢と言えるのではないでしょうか。

結論:「守る貯金」と「育てる資産」、両方を持つという合理的判断

だからこそ、私たちは「貯金か、投資か」という二択で考えることをやめるべきです。それは、あまりにも古い常識です。

ミサトさんが大切に守ってきた「貯金」は、急な出費や病気に備えるための、絶対に不可欠な「守るための『盾』」です。これは、必ず確保してください。

その上で、インフレによる価値の目減りから資産を守り、「機会損失」を減らすために、余裕資金の一部で「育てるための『剣』」を持つこと。つまり、ご自身の将来をご自身で守るという視点を、日々の生活に少しだけ加えてみませんか?

私たちは、皆様がその「剣」の持ち方を、忙しい日常の中でも最短時間で学べるよう、このサイトを運営しています。

※本ページは、金融知識に関する情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取引を推奨したり、勧誘したりするものではありません。

※シミュレーションは、将来の成果を約束するものではありません。金融商品の選択や投資の最終決定は、ご自身の判断と責任において行っていただきますようお願いいたします。

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