NISAとiDeCo、どっちを優先すべき?
特徴と使い分けを解説

NISAとiDeCo、どちらを選ぶべき?

2024年から新NISAが始まり、個人の資産形成への関心が一層高まっています。NISAとともによく比較されるのが、個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」です。

どちらも税制優遇を受けながら老後に向けた資産形成ができる強力な制度ですが、その特徴は大きく異なります。この記事では、NISAとiDeCoの基本的な違いを整理し、どのような人がどちらを優先すべきか、具体的なケースを交えながら解説します。

NISAとiDeCoの基本比較

制度の目的・特徴

まずは、両制度の目的と主な特徴を表で比較してみましょう。

項目 NISA(つみたて投資枠・成長投資枠) iDeCo
目的 少額からの長期・積立・分散投資を支援 老後資金の形成
引き出し制限 いつでも引き出し可能 原則60歳まで引き出し不可
税制優遇 運用益が非課税 掛金が全額所得控除、運用益が非課税、受け取り時にも控除あり
加入対象者 日本在住の18歳以上 20歳以上65歳未満の国民年金被保険者など

最大の違いは「資金の流動性」と「税制優遇の範囲」です。NISAはいつでも引き出せる柔軟性が魅力ですが、iDeCoは掛金が所得控除になるという強力な税制メリットがあります。

どちらを優先すべき?年代・目的別ケーススタディ

NISAとiDeCo、どちらを優先すべきかは、年齢やライフステージ、目的によって異なります。
ここでは、年代や働き方ごとにおすすめの活用法を具体的に見ていきましょう。

Case 01 20代・30代の若手社会人

【結論】まずはNISAから始めるのがおすすめ
この年代は、結婚、住宅購入、転職などライフイベントが多様で、まとまった資金が必要になる可能性があります。いつでも引き出せるNISAで流動性を確保しつつ、資産形成の第一歩を踏み出すのが現実的です。

企業の福利厚生で企業型DC(企業型確定拠出年金)がある場合は、そちらを優先的に活用し、余裕があればNISAを併用するのが良いでしょう。

Case 02 40代・50代前半の中堅世代

【結論】iDeCoの優先度を高め、NISAと併用するのが理想
老後が現実的な目標として見え始めるこの時期は、iDeCoの強力な所得控除メリットを最大限に活用したいところです。所得が高い人ほど節税効果は大きくなります。

ただし、教育資金や親の介護など、予期せぬ出費も想定されるため、NISAで引き出し可能な資金も確保しておく「二刀流」が最強の選択肢です。

Case 03 自営業・フリーランス

【結論】iDeCoを上限額まで活用することを最優先に検討
会社員と比べて退職金や厚生年金が手薄になりがちな自営業者にとって、iDeCoは貴重な老後資金の柱です。掛金の上限額も会社員より高く設定されており、所得控除による節税メリットを大きく享受できます。

まずはiDeCoを満額利用し、さらに余裕資金があればNISAで流動性の高い資産を築くのがおすすめです。

自分のライフプランに合わせて使い分けよう

NISAとiDeCoは、どちらか一方が絶対的に優れているというものではありません。「近い将来に使う可能性のあるお金はNISA、60歳まで使わない老後のためのお金はiDeCo」と役割分担するのが基本戦略です。

自身の年齢、収入、家族構成、そして将来の夢や目標(ライフプラン)に合わせて、最適なバランスを見つけることが、賢い資産形成の鍵となります。

※本ページは特定の商品や運用方法の勧誘を目的としたものではありません。
※投資の価格変動等により損失が生じるおそれがあります。元本や利益が保証されるものではありません。
※NISA・iDeCo制度の内容は変更となる場合があります。最新情報は金融庁の公式サイトをご確認ください。

NISAもiDeCoも、
正しく理解して活用することが大切です。
次は、
「NISA運用でよくある失敗」を見ていきましょう。